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ブローニーのリバーサル現像の仕上がりは一週間後。
腑に落ちないが、これが此処の現状らしい。閉店間近のカメラ屋さんで地団駄を踏むのも大人げないと思い、まだブローニーの封印を解かれなかっただけ良いさ、とか店長を呼びに行かれなくて良かったさ、と過去を思い出しながら店を出る。
出さなかったカラーネガとモノクロネガのどちらかを自家現像しようと早目に帰宅する。
朝から何も食べていないせいか、空腹感が麻痺してしまっているのを良い事に、夕食を食べずにすぐに現像しよう、とwebで処理データーを探すうちに睡魔に襲われ、眠ってしまう。
寝入りばな、カラータイマーさえ点滅できないほどのバッテリー不足を感じる。
腹部の脂肪に着目して欲しい、と身体に言い聞かせて眠る。
文字ばかりで息苦しいので写真を入れることにしました。
眼鏡を買いに行く。
そろそろ黒フチだな、等と呟きながら試着するものの、
どうもしっくりこない。しまいにはどれも同じに見えてくる。
そのうち面倒になり、携帯で撮って
誰かに判断してもらおうかとさえ思うが、
そんな迷惑をかけてはいけないと踏みとどまる。
しっくりこない、のは、試着する前は
春なのにハードなイメージなんかどうだ、と思っているのに
試着してみると本当に性格怖そうに見えるため。
人から善く思われたいという意識が邪魔をすることに気がつき
うなだれて何度も売り場を周回した眼鏡屋から出る。
空も地面も埃っぽい。
雪がとけたとたんになのしらない細菌とか一生肉眼で
みることのないウイルスとか、そういったもので満ち
るのだと想像し、大雨を願う。
てるてる坊主をおもうが、吊るすスタイルに申し訳な
い気持ちになる。
そういえばもう半年も、アスファルトにあたる雨音を
聞いていない。
iPodから送信
ねむい。
椅子の上で寝てしまいそうなほど眠たい。
書こうとしている事があるのに。
赤ん坊のように、食べたいし眠たいし泣きたいし。
そして眠ってしまったなら、
この書きたい事の核が消えてなくなる事を
薄々感じている。
消えてなくなるかも、その程度なのに悔しいけれど
たぶんねるのだろう。
同僚に新入社員の年齢や出身校を訊かれたが、知らなかったので
答えることが出来なかった。
どうしてそんなことが知りたいのだろう。という顔をしていたのか、
彼は、ほら、会話の糸口になるかもしれないし。と付け加えた。
そうか、いとぐちか、とそういうものなのか、と
わずかに落ち込んでみたが、夜のうちに届いていたらしい
知り合いのような文章のエロスパムを見て
どうでもよくなった。
目の前に人参がぶら下がっていないと辛い、と
色々なものを用意し、それらについて妄想する。
妄想で日常が動かされる。
妄想の端に日常が置いてある。
顔の筋肉は弛緩しっぱなしだ。
せめて妄想自体が悲しい結末を迎えない事を願う。
鞄を買いにいく。
ヨーロッパの職人が作るというその鞄は、一つ一つのデザインが少しずつ違う。
カメラを入れても安定したマチと、ショルダーにしても安定した持ち手の鞄を見つけ、
悩みながら帰ったのは1ヶ月前。
やはりあの鞄が欲しい、と、店に行くと、欲しい形の鞄はライトを浴びて神々しく置かれていた。
安心して、つい同じ店の服などを見てはしゃぐ(服のセレクトショップなので)
上機嫌で試着室に入り、着替えをしてカーテンをあけたら、狙っていた鞄は
通りがかりのお客さんに買われていた。
ノーーーーーーオゥ!!
と言える筈も無く、買われていくのを見送る。
出会いはいつだって残酷だ。
香水を買う。
ムエットと一晩過ごしたものの、ギリギリで悩んで溜め息をつく。
香りは良いし、ボトルのデザインも好きだし、春だし、だがしかし。
今、もの凄く好きなんですけれど、嫌いになっちゃうかもしれないから。
そういうと、面倒見の良い姉御肌のような店員さんに
気持ちが変わるのは判るわ、でもそんな悲しい事を言わないで、と
慰められる。
デパートの片隅で、まるで恋愛相談だ。
メーカーの高級そうな手提げにボトルを入れてもらい、
他の香水のサンプルを10個貰って帰宅する。
香水を買う。
たいそう気に入って、おまけにミニボトルがついてきて
あら、かわいー、なんて言いながら、ほくほくして帰宅して
暫くたってからその香りが気に入らなくなる事がある。
これも一種の生理現象で、まあ、そういうことなのだろう。
気に入らなくなったものは、手にとることもない。
あの盛り上がっていた気持ちが、人ごとのように眩しく思い出される。
自分の事なのに、隣の芝生だ。青く瑞々しい。
改めて臭いを嗅ぐまでは。
必ずムエット(香水を吹きかける試香紙)を
持ち帰るようにしているが、限定販売で売り切れ必至などと言われると
ぐらぐらと気持ちが揺れてしまう。
細長いパンという意味の紙を何度もくゆらせて、鼻息は荒くなる一方である。